日本肺胞蛋白症患者会

GM-CSF吸入療法について

吸入器の選び方とお手入れの方法

吸入器の選び方

GM-CSF 吸入療法に使える吸入器は、「ジェット型」か「メッシュ型」のネブライザーです。

ジェット型ネブライザーの利点は、構造が比較的に単純で、故障しにくいことです。消毒も容易です。値段もメッシュ型ネブライザーよりも安価です。欠点は、コンプレッサー(ポンプ)がないと霧(ミスト)が出ないことです。

メッシュ型のネブライザーは、メッシュ部分を1カ月に一度交換しなくてはならないことや、メッシュ部分のお手入れが大変なことなど、使用法に制限があります。しかし、使用法に慣れると、ジェット型とは比較にならないほど、濃い霧(ミスト)が出ます。コンプレッサーがないので、持ち運びも楽です。

  • GM-CSF吸入療法は、最低でも24週間、長いと1年近く吸入するわけですから、故障によるトラブルはよく起こります。予備のネブライザーとコンプレッサーを常備しておくと安心です。
  • 通販で入手したネブライザーは、メーカーや代理店が故障やアフターケアに十分対応してくれないケースがあります。
  • アフターケアやトラブルシューティングに対応してくれるかという点も吸入器選びの重要ポイントであることを覚えておきましょう。

吸入器のお手入れの仕方について

GM-CSF吸入療法は、1クールが24週間もかかります。毎日ネブライザーを使うので、使ったままにしておくとカビや雑菌が増殖して不衛生になる可能性が大きいです。使い終わったら必ず洗浄、消毒をしましょう。
洗浄、消毒は、ネブライザーを各部品に分解して行います。
一例としてPARI社のLC Sprint Star ネブライザーについて説明します。

ネブライザーの分解方法

ネブライザーの各部品は次の手順に従って分解してください。

ネブライザーの使用後は毎回必ず全部品(送気ホースを除く)を洗浄して薬液の付着や汚れをきれいに取り除いてください。

  1. 送気ホースGとAをネブライザーから取り外します。
  2. ネブライザー上部Cを左方向に回してネブライザー下部Fをはずし、ノズルインサートDを引き抜きます。
  3. ネブライザー上部Cの蓋Bを開けます。
  4. マウスピースAの呼気バルブを千切ちぎれないよう注意深く穴から引き出します。

ネブライザーの洗浄

ぬるま湯と少量の中性洗剤を使って、分解したネブライザーの全部品 (送気ホースを除く)を、丹念に洗います。頑固な汚れは、清潔なブラシで落としてください。
全部品をぬるいお湯で丁寧にすすぎ、部品に残っている水滴をよく振り落とします。その際、蓋の蝶番が破損しないように蓋を手でしっかり押さえてください。

ネブライザーの消毒

ネブライザーが汚れていると消毒効果が落ちるので、洗浄を行ってから消毒を行ってください。洗浄したネブライザーの全部品(送気ホースを除く)を、少なくとも1日1回消毒してください。

煮沸消毒(最低15分間)

洗浄したネブライザーの全部品(送気ホースを除く)を最低15分間煮沸消毒してください。全ての部品がお湯に浸かるよう、お湯の量に注意してください。水道水が硬質の場合、精製水をご使用ください。

消毒液による消毒

プラスチック(ポリプロピレン・TPE)に適した消毒液(ミルトン)を20倍に希釈した水に浸漬して60分間消毒した後、必ず水ですすいでください。消毒液につけっぱなしにすることはプラスチックを劣化させるのでご注意ください。

乾燥

部品に残っている水滴をよく振り落とします。その際、蓋の蝶番が破損しないように蓋を手でしっかり押さえてください。消毒したネブライザーの全部品を、清潔で吸水性の高いタオルなどの上に置き、そのまま完全に乾かしてください。

保管

長期間治療を行わない場合は、ネブライザーを毛羽立たない清潔な布にくるみ、直射日光が当たらない乾燥した埃のない環境で保管してください。