日本肺胞蛋白症患者会

医療費について

身体障がい者手帳 / 重度心身障害者医療費助成制度

肺胞蛋白症で在宅酸素療法を受けるようになった患者さんは、障がい者手帳の交付を受けられる可能性があります

手帳には、それを持つ人を対象とするさまざまなサービスがあり、利用することで生活の幅が広がる、社会に参加しやすくなるといったメリットがあります。

身体障がい者手帳を持っている患者さんが受けられるサービスの一例
  • 医療費の助成
  • 博物館などの公共施設の割引
  • JRやバス・航空運賃などの公共機関の割引
  • 携帯電話基本料金の割引
  • 公営住宅の優先入居
  • NHK受信料の免除
  • 車椅子や補聴器など補装具の費用や、住宅リフォーム費用の助成など

※詳しくは事業者または自治体へおたずねください。

■参考:厚生労働省 障害者総合支援法の対象疾病(難病等)

身体障がい者手帳の申請について

身体障がい者手帳の申請には指定医師による診断書・意見書※注4が必要です。

診断書には、フォーマットがある場合があるので、それぞれ各市区町村の障害福祉窓口で確認しましょう。医師による診断書・意見書を用意できたら、本人確認ができる書類(住民基本台帳カード、パスポート、個人番号カードなど)、申請する本人の縦4cm横3cmの写真を用意して各市区町村の「障害福祉窓口」で行ってください。

注4) 身体障害者福祉法第15条にもとづく指定医師が記載したもの

※指定医師については、各市区町村の申請窓口でおたずねください。

手帳をお持ちの方が転居された場合

住所変更の手続きの後、転居先の障がい福祉課にて手帳に記載された住所変更の手続き(費用はかかりません)が必要です。

手続きは市区町村により異なりますので転居先の障がい福祉課へお問い合わせください。

新潟大学医歯学総合病院の例:身体障がい者手帳の申請について(PDF)

障がい者手帳1~3級の交付を受けた患者さんは重度心身障害者医療費助成制度に申請することができます。
重度心身障者医療費助成制度

医療機関を受診した場合の医療費の一部負担金を県と市区町村で助成する制度です。

所得制限を満たし、助成の対象となった場合、あらゆる病気の治療について医療費が無料 ・あるいは低額になります。

必要書類は、住所地の福祉事務所・福祉課などに提出します。身体障がい者手帳の交付時に申請するとよいでしょう。
重度心身障害者医療費助成制度は、障がい者手帳1級・2級・3級を持っていれば申請できる地域と、3級が助成の対象にならない地域があり、都道府県によって助成の基準が異なります。(内部障害は2級には該当しません。)

詳しくは「各都道府県ごとの重度心身障害者の医療費助成の条件」をご覧ください。

所得制限
受給者、配偶者または扶養義務者の前年の所得が対象となります。

■扶養親族等がいない場合の目安
受給者 所得額:3,604,000円
配偶者、扶養義務者 所得額:6,287,000円

※所得制限は扶養親族等の人数や社会保険料の控除額により変わります。詳しくは住所地の福祉事務所・福祉課などにおたずねください。

必要書類
・身体障がい者手帳,療育手帳,精神障がい者保健福祉手帳
・印鑑
・個人番号カードまたは通知カード
・所得証明(市外からの転入者)

参考 「重度心身障害者医療費助成 ○○市」で検索ください。

県外で受診した場合の重度心身障害者医療費助成はどうなりますか?

いったんは医療費の自己負担分の料金を支払い、領収書と償還払いの申請書を役所に提出して、後で自分の銀行口座へ返金してもらう流れ(償還払い)になります。

後期高齢者医療の健康保険について

後期高齢者医療制度は、75歳以上のすべての方(一定以上の障害があると認定を受け、加入を選択された場合は65歳以上)を対象とした独立した医療保険制度です。
75歳になると、自動的に後期高齢者医療制度の被保険者となるため、加入手続きは不要です。65歳以上74歳以下の方で一定以上の障がいがある方は申請により加入できます。
※一定の障害とは、身体障害者手帳の1~3級及び4級の一部の障害、療育手帳のA判定、精神障害者手帳の1~2級などです。

指定難病医療費助成制度と重度心身障害者医療費助成制度の併用について

在宅酸素療法を受けている患者さんは指定難病医療費助成制度と重度心身障害者医療費助成制度の併用ができます。別々の制度ですのでそれぞれ申請が必要です。

例えば新潟県にお住まいの特定医療(難病)の月額自己負担上限額2,500円の患者さんが重度心身障害者医療費助成を併用した場合の医療費は表5の赤枠になります。

例:新潟県の重度心身障害者医療費助成
・外来の場合 1日530円(月4回まで、5回目以降は0円)
・入院の場合 1日1,200円
・薬局の場合 0円
・訪問看護の場合 1日250円
※一部負担金は医療機関ごとに発生します

表5:指定難病医療費助成制度と重度心身障害者医療費助成制度の併用

※1)患者さんの窓口負担額は特定医療及び重度心身障害者医療費助成制度を適用し530円となります。

※2)患者さんの窓口負担額は特定医療及び重度心身障害者医療費助成制度を適用し530円となります。

※3)患者さんの窓口負担額は(月の自己負担上限額が2,500円なので)特定医療の自己負担額が100円となります。