日本肺胞蛋白症患者会

医療費について

高額療養費制度(限度額適用認定)について

医療費への支払いが多すぎて困ったときは-高額療養費助成制度について

高額療養費制度とは、1カ月(同じ月の1日から末日まで)の病院または薬局での支払いが自己負担額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。申請すれば誰でも払い戻しを受けることができ(指定難病助成制度に申請していなくてもOKです)、年齢や所得に応じた限度額が設定されています。ただし、個室料金や食費、先端医療などは支給の対象になりません。

高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月の初日から2年です。したがって、この2年間の消滅時効にかかっていない高額療養費であれば、過去にさかのぼって支給申請をすることができます。
高額療養費の支給申請の際には領収証の提出が必要ですので大切に保管しておきましょう。必要書類は領収証・保険証・印鑑・振込口座のわかるものです。

たとえば重症度2の患者さんが全肺洗浄手術を受けると、月の病院または薬局での支払いが保険を使っても50万円以上になりますが、市区町村の役所に申請すると、この制度によって一定額(例として8万円)を超える分について戻ってきます。
病院の支払い窓口で一旦支払っていただき、あとから医療費が戻ってくる制度です。
あるいは、あらかじめ「限度額適用認定証」利用の手続きをすると病院窓口での支払いが自己負担限度額になります。

例をあげて、説明します。
たとえば、自己免疫性肺胞蛋白症の診断を受け、「重症度2」の患者さんが、全肺洗浄術をある病院で受けて、1カ月の総医療費(10割)が100万円だったとします。その患者さんは69歳以下で、国民健康保険に加入していて、年金などの年収約400万円だったとします。
表3−2を見ますと、ウに相当するわけですね。
ウのひと月の自己負担限度額は、80,100+(1,000,000円-267,000)×1パーセント=87,430円です。

つまり、病院支払い窓口で払う医療費は、30万円なのですが、高額療養費制度を申請すると、300,000-87,430=212,570 円 戻ってきます。

表3をご覧になり、ご自身の年収に照らし合わせて、ひと月の医療費支払いが30万円だった場合にどれくらいになるかを計算してみてください。払い戻しの手続きの仕方は、このあとに書いてある手続き方法をご覧ください。このように、高額療養費制度を活用すれば、そんなに大金を持っていなくても高度な医療を受けられる仕組みになっているのです。

表3-1:【69歳以下の方】高額医療費制度で定められているひと月あたりの自己負担上限額
※総医療費とは診療費用の総額(10割)です
表3-2 :【70歳以上の方】高額医療費制度で定められているひと月あたりの自己負担上限額
※総医療費とは診療費用の総額(10割)です
  • 過去12か月以内に3回以上、自己負担限度額に達した場合、4回目以降は多数該当となり自己負担額が引き下げられます。
  • 国民健康保険から健康保険への切替といったように、加入している公的医療保険が変わらない限り、回数が継続されます。
  • 70歳未満でそれぞれの自己負担額が21,000円を超えている場合は、世帯内で合算することができます。

次にこの患者さん(自己免疫性肺胞蛋白症重症度2の患者さん)が6,8,10月に3回全肺洗浄術を受けたとして、その月の支払いがそれぞれ自己負担額の上限を越えていて、高額医療費制度に申請し、払い戻しを受けていたとします。その後12月にまた全肺洗浄術を受けたとします。1年間の間に4回も高額療養費を支払う場合は、4回目が多数回に該当するので自己負担額の上限が引き下げられます。(表3−1のウの右の欄をご覧ください)44,400円が自己負担額の上限です。その12月の医療費が100万円だったとすると、病院窓口での支払いは、30万円ですが、高額医療費制度を申請すると、300,000-44,400=255,600 円戻ってきます。大きいですよね。

図2:高額療養費多数該当適用例
医療機関にかかって12カ月の間に同一世帯で3回以上高額療養費が支給された場合、
4回目以降からはさらに自己負担限度額が引き下がります《多数該当》
12018年12月:〈多数回に該当〉
直近12カ月間(2018年1月〜2018年12月)に3回以上高額療養費が支給されているため、2018年12月は多数回に該当する。
22019年8月:〈多数回に該当しない〉
直近12カ月間(2018年9月〜2019年8月)に2回しか高額療養費が支給されていないため、2019年8月は多数回に該当しない。
32019年9月:〈多数回に該当〉
直近12カ月間(2018年10月〜2019年9月)に3回以上高額療養費が支給されているため、2019年12月は多数回に該当する。
42019年11月:〈多数回に該当〉
直近12カ月間(2018年12月〜2019年11月)に3回以上高額療養費が支給されているため、2019年11月は多数回に該当する。

次に高額療養費制度の手続き方法について説明します。

手続き方法

(1)事後に手続きする場合(高額療養費を支給申請する場合)

医療機関等の窓口で医療費の自己負担分をいったん支払い、後日加入している保険者(健康保険組合、協会けんぽ(全国健康保険協会)、共済組合、国民健康保険など)に申請して、払い戻しを受けます。

申請窓口

ご加入の保険者によって異なりますので、保険証に記載されている保険者にお問い合わせください。
国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口でご確認ください。

高額療養費に該当する世帯には、診療月の概ね3カ月後の上旬に国保年金課から「国民健康保険高額療養費支給申請書」が送付されます。申請の時効は、支給申請書の到着から2年となります。

送付された申請書に必要事項の記入と、病院窓口で支払った額の領収書、薬局での領収書がある場合はその写しを添付して申請してください。70歳以上の人の外来分については、添付をしなくてもかまいません。

(2)事前に手続きする場合 (「限度額適用認定証」を利用する場合)

外来・入院に関わらず、事前に「限度額適用認定証」を申請すると、窓口での支払を自己負担限度額までにとどめることができます。

ご自身が加入している保険者(健康保険組合、協会けんぽ(全国健康保険協会)、共済組合、国民健康保険など)に申請すると交付される認定証です。

受診時に医療機関等の窓口に提示すると、支払を自己負担限度額までにとどめることができ、高額な医療費を一時的に立て替える必要がなくなります。

自己負担限度額を超えるかどうかわからない場合でも、限度額適用認定証を支給申請しておくことができます。

申請窓口

各保険組合で用意している限度額適用認定申請書を用意し、各保険組合に申請します。

【協会けんぽ】
協会の各都道府県支部にお問い合わせください。
WEBサイトから申請書のダウンロードができます。
参考
例:限度額適用認定証 申請書ダウンロード
「○○県建築健康保険組合」「日本私立学校振興・共済事業団」などで検索ください。

【健康保険組合】
各組合によって異なりますので、保険証に記載されている健康保険組合にお問い合わせください。

【国民健康保険組合】
市区町村によって異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口でご確認ください。
参考
高額な医療費を支払ったとき:全国健康保険協会Webサイト

限度額適用認定証の発行までの流れ

お持ちの保険証に記載されている区役所、各市区町村役場、全国健康保険協会(協会けんぽ)都道府県支部、健康保険組合へ申請します。

(1)限度額適用認定申請書を記入し、保険証の写しを添付して健康保険組合へ郵送します。

基本的には郵送での申請となりますが、区役所、健康保険組合等の窓口での直接の申請や、勤務先を通して申請を行う場合もあります。

(2)「限度額適用認定証」が交付されます。

自宅又は、職場や入院医療機関等、送付先の指定も可能です。